今こそ考えるべきマネタイズのモデル

この記事は中小企業の経営者向けに書いています。

コロナウィルスの影響で日本はもちろん世界の経済が大きく縮小しています。

21世紀になってからでも、ITバブル崩壊、リーマンショック、3.11といった不況はありましたが、今回の不況はそれらを合わせてもまだ足りないくらいの規模になるかもしれないと、個人的には思っています。

例えばITバブル崩壊は、その名前からも分かる様に膨らみすぎた新生 ITベンチャーの株価が大きく下がった現象であり、他の業界への影響は限定的でした。

リーマンショックは、アメリカでのサブプライムローン問題を端に発生した世界的な恐慌ですが、いわゆるマネーゲーム部分の価値が縮小しただけで、実体経済に対する影響は少ないものでした。株価が大きく下がったことで各社がおよび腰となり、積極的な設備投資を控えたことで間接的に実需が減少しましたが、本質的な経済縮小ではなかった、というのが私の味方です。

3.11は当然のことながら東北地方中心に甚大な被害をもたらしました。社屋や工場が地震や津波で破損した会社も多くありましたし、福島第一原発の放射能問題で避難を余儀なくされた方もいます。また計画停電により、営業時間に制限がかかった時もありました。しかし経済的な視点で見ると経済の実需が縮小するものではなく、むしろ新視点でのビジネスモデルや新しい投資を誘発した部分もありました。

さて、今回のコロナショックはどうでしょうか?例えば観光業や飲食業は壊滅的な状況になっています。感染拡大を防ぐためには、こうした業種は営業をできないからです。もちろん営業したところで、外出自粛や企業の宴会中止などにより、売上を確保することが非常に難しい状況です。基本的には店舗を構える全ての業種において、悪影響が出ていると言えると思います。そうなると企業活動そのものが縮小するわけですから従業員の給与へ反映されてきます。非正規雇用の方は収入源を確保できなくなります。正社員の方でも、通常はもらえていた手当や残業が減ることによって、手取りが減る場合も多いでしょう。もちろん経営者側は従業員を苦しめたくてそうしているわけではなく、まず第一に企業そのものが継続しなければならないため、苦渋の決断をしているわけです。

こうした苦しい状況にあるにもかかわらず、一部の族議員はその支持基盤しか考慮しない「お肉券」や「お魚券」を発酵しようとか言っている始末です。

政治の愚弄はさておき、ビジネスにおいては必ずしもネガティブな要素ばかりではなく、例えば飲食であれば配送サービスの需要が増えたり、遠隔会議システムやその関連備品が売れたり、あるいはオンライン教育コンテンツが注目されたりと、これからの社会のあり方を変える可能性のある新しい需要が喚起されてもいます。

飲食店の配送サービスに関しては何年も前から存在自体はしていたものの、多くの飲食店は二の足を踏んでいました。このタイミングで参入した方もおいはずですが、やはり以前から取り組んでいた店舗と新たに参入した店舗ではノウハウの蓄積が違います。教育などのオンライン事業もそうです。

つまり何が言いたいかというと、平時の時にどれだけマネタイズモデルを持っているかで、今回のコロナショックの様な時にどれだけ耐えうるかが決まるわけです。

IPOを目指す様なスタートアップであればシングルプロダクトで一か八かの勝負もありでしょうが、そうではない普通の企業であればマネタイズモデルを複数設計しておくべきです。

そうは言ってもいきなり異業種に参入するということではありません。まずは同じものを異なるマネタイズ方法で販売する事を考えてみてはどうでしょうか?飲食店が、店内だけではなく宅配を利用することがその代表例です。他にも、コンサルティングで顧客と会うことが前提となっている様なケースでも、最初からオンラインコンサルティングという名の商品で売り出す、ということも考えられます。あるいは、今あるサービスをサブスク化するのも良いでしょう。

とにかく平時に何を考えているか、行動しているかがこうした非常事態を生き抜く礎となるわけです。今からでも遅くない、経営者はぜひ社員や大切な人を守るための行動をしましょう。

ライター情報

株式会社VanCreworthサポーター企業
中小企業の支援を通して、日本に地殻変動を起こす。大企業や既得権益者の予定調和の時代は終わりを告げ、力のある中小企業が番狂わせを起こす時代です。

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