サブスクリプションを企業側の目線で見ると?
サブスクリプション。この言葉は皆さん聞いたことがあると思います。
もともとは雑誌の定期購読を指していた言葉で、他にはソフトウェアライセンスの継続課金契約でも使われますね。身近なところだと、マイクロソフトオフィス製品のサブスクリプションを使っている方も多いのではないでしょうか。
最近ではIT化やスマホの普及を背景に、様々なサービスがサブスクリプションの携帯で提供されるようになりました。有名どころだと、音楽のストリーミング配信をするSpotify。この音楽配信系のサブスクリプションは大手が多数参入しており、他にもAmazon Music, Apple Music, Youtube Music, Line Music 等など、たくさんありますね。
どのサービスでも月額1,000円以内で好きな音楽を好きなだけ楽しめます。アプリ内で聴くことのできる音楽がそれぞれ異なりますが、細かいことを気にしなければ大差はないでしょう。
では、ユーザ側ではなく、会社側の視点に立ってみましょう。会社側から見た時の、サブスクリプションというビジネスモデルについては、下の動画をまずはご覧ください。
情報提供:定額生活
会社側はそれなりにメリットもありますが、もちろんそのメリットを享受するための努力も必要ですし、当然ながらデメリットもあります。
動画を補足説明すると、
【今まで】
仕入れて売る、作って売るというモデルであるため、価格>原価であれば売った瞬間原価は回収。あとは販管費を回収するまで売る。
【サブスクリプション】
薄く、広く、多頻度で、結果として売るモデル。原価回収までに時間がかかるものの、顧客が続ければあとは利益が積み重なる。
という具合でしょうか。
例にも挙げたエアークローゼット
で考えてみましょう。
例えば原価1,000円の服があり、これをこれまでであれば10,000円で販売していたとします。粗利益が9,000円ですから、この積み重ねが販管費 (つまり、人件費や家賃等の経費) を上回れば営業利益が出ます。
サブスクリプションのモデルだと、この原価1,000円の服を、例えば1ヶ月400円でレンタルします。そうすると、少なくとも3ヶ月レンタルしてもらわなければ原価を回収できません。さらにその先の販管費を回収しようと思ったら、より長くレンタルしてもらう必要があります。もちろん他のユーザーが同じ商品をレンタルすることもありますので、クオリティを維持するためにクリーニングなどのメンテナンスは必須ですし、そのためのコストもかかります。
結構難しいかもしれませんね。
しかし、10,000円なら買わないものの、400円なら1ヶ月試してみようかな、という人もいるでしょう。そういう意味で、新しい顧客獲得をする可能性が高まるわけです。
こうしたすそ野を広げた上で、各顧客と最低でも月1回という接点を持つことで、より顧客目線のサービスになっていくのでしょう。
売って終わりの売り切りモデルだと、同じお客様にリピートしてもらうための接点を持つのが難しいでしょう。店舗でのスタンプカードや会員カード、ブランドの会員カードなどは多くの会社が取り組んでいますが、では顧客目線考えた時に、果たしてそこまで使っているでしょうか。使っているものはよほどお気に入りのブランドや店舗でしょう。つまりその他大勢の店舗、ブランドは、顧客との接点は限りなく少なくなっているのです。
サブスクリプションモデルのメリットは、たとえばエアークローゼット であれば顧客との接点を最低でも月1回持てるということにあります。ここでのコミュニケーションの質が、顧客の維持率を決定づけます。
このあたりが、サブスクリプションの成功の鍵かもしれませんね。
スタートアップの主戦場に!
サブスクリプションサービスは、Webサイトやアプリを通して提供されます。したがって、それを開発する技術と、顧客に提供するサービス・商品があればすぐに開始できます。
このうち、技術の方は問題ないでしょう。サブスクをすぐに出来るサービスもあるようです。
サービス・商品の設計がとても難しそうです。エアークローゼット の場合には、自社でブランドを持っているわけではなく、他社の商品を使っています。つまり提携ですね。
自社にないリソースは外部から調達することで、サブスクリプションのプラットフォーム企業になっているのですね。
昨今ではトヨタ自動車もサブスクリプションサービスを開始すると発表しています。今後は新しいサブスクリプションがどんどん出てくるでしょう。
誰も想像しなかった商品・サービスをサブスク化したら、一気にユニコーン企業になるかもしれませんね!?
では最後に参考情報を下記に書いておきますので、ご覧ください。
では
参考
ライター情報

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